色々と議論がある成年後見制度ですが、その利用状況は裁判所から出ている概況を見る限りは年間35000件弱でここ数年は安定的に推移しているようです。

使いづらいとか色々と言われてはいますが、少なくとも以前の「禁治産制度」に比べれば、活発に利用されています。若干の微調整を行ないながら、より利用しやすいものになるといいですね。

 

最近、事務所でも一件成年後見の申立を行いました。が、裁判所も成年後見の関係はかなり込み合っているようで、申立後実際に後見人が動けるようになるまでは2ヶ月ほどの時間が必要になりそうです。

その間の財産管理をどうすればいいか?ということになりますが、おおよそのケースでは親族の方々が事実上管理をしていただく、ということになるかと思います。が、今回は若干特殊なケースで、その申立から後見人就任までの間の財産管理も第三者に行なっていただく必要がありました。

そこで、「後見開始の申立」と同時に「審判前の保全処分の申立」を行い、その期間の財産管理人を裁判所に選任していただきました。保全処分については比較的速やかに審判がなされ、また、異議申立期間がないので審判後即効力が生じます。

これで、親族の方を(事実上の)財産管理という重荷から開放することができますし、その後選任される後見人へもスムーズに財産管理を移行させることができます。また、財産管理人がそのまま後見人になるケースもあるようです。