さて、成年後見関係でパブコメが募集されています。
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&Mode=0&id=300080325
中間試案についてはすでにNHKなどでも報道されていますが。
(引用ここから)
成年後見制度 法制審が見直し中間試案 途中でやめるのも可能に
認知症などの人に代わって財産の管理などを行う成年後見制度を利用しやすくするため、見直しの検討を進めている法制審議会は、中間試案をまとめました。
途中で利用をやめるのを可能にしたり、後見人を交代できるようにする案などが盛り込まれています。
(引用ここまで)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250610/k10014831191000.html
一番の目玉は、上にも記載のある「途中で利用をやめるのを可能にする」という点になろうかと思われます。
現状では、一度成年後見制度の利用を始めると事実上亡くなられるまで後見が続くこととなります(ごく稀に本人の能力が回復するというケースは有るのでしょうが)。それが原因で成年後見制度の利用をためらうというケースもあるでしょうから、そこを柔軟に運用できるようにする、ということでしょう。例えば、不動産の売却が必要なケースで不動産売却後は後見を終了する、相続に関し遺産分割協議が必要なケースで相続手続き完了後は後見を終了する、などが想定できます。
これまでの個人的体験でも、相続人の一部に認知症の方がいるケースで、相続人の子供から上記の理由で後見制度の利用を拒絶され、相続手続きが進まないということが何度かありました。このようなケースが好転する可能性がありますね。
このような話はだいぶ前から議論されていましたが、いつも「後見終了後の財産管理はどうするのか?」という問題で止まってしまっていたように思います。中間試案をざっと見る限りこれに対する回答はないように見受けられますが、後見開始前の状況(ほとんどのケースは事実上親族が財産管理をしている状況)に戻る、ということなのでしょうか。もう少し読み込もうと思います。